コーヒー      カクテル     音楽        DIY      修理       物語
            凝っている事   イベント      閑話       映画・コンサ-ト 全リスト

目次

     ☆ コーヒーをたのむ時 (2001/10/02)
     ☆ モカ (2003/04/30)
     ☆ 不特定性と匿名性 (2003/07/09)


コーヒーをたのむ時 (2001/10/02)

 通りがかりの喫茶店に入ってコーヒー をたのむ時、多くの人は「ホット」って言いますよね。
 僕もそうです。「ホット。」
 言いやすいというのもあるけど、喫茶店といえば「ホット」というのがはまってる。少しほっとしたくて入ったんだから、面倒なことは避けたい。余計なうんちくはいらない。おいしいコーヒーが出てくるのに越した事はないけどちょっとした「場」が欲しいんですよね。絶妙なバランス空間。
 会社でもないし、家でもないところにそういう「場」が、たまに欲しいから喫茶店に入る。自家焙煎であろうがサイフォンであろうがペーパーであろうがキリマンであろうがマンデリンであろうがそんな事より「ホット」と呼ぶにふさわしいホットが出てくればいいんですよ。
 そういうわりにいるか喫茶のメニューはうんちくが多い。僕の自己満足みたいなもんです。気にしてもらわなくていいです。暇つぶしに読んでもらえればそれは嬉しいですが押付ける気は毛頭ありません。
 そんなことより本当に大事にしたいのはあなただけの絶妙なバランス空間です。邪魔が入らずに居心地良くお過ごし頂ければそれがいちばんうれしいです。



モカ (2003/04/30)

 モカやキリマンジャロは一般に酸味に特徴があってそれがいいと言われてますよね。僕は自分で言うのも何なんですが、キリマンジャロについてはかなりいい線まで味が出せるようになってきたと思います。コクを損なわないで、キレのある酸味が出せてきたかなーという感じです。でもモカの酸味というのはまだまだよくわからないので研究中です。僕としては、モカの特徴は酸味というより香りだという気がしてて、かなり深めに焙煎してます。だからいるか喫茶のモカは世間と比べればあまり酸味がないと思います。理想としては今の香りを失わないまま、モカ本来のフルーティーな酸味を出したいです。最近コーヒーが好調なので今の内に調子に乗っていい焙煎ができればいいなと思ってます。あと、掲示板の最初の方でも書いたんですがいるか喫茶のコーヒーは舌にまとわりつくような酸味(これは酸味というより渋み、エグみのたぐいだと思いますが)はできる限りなくすような立て方をしています。コクがあるのにキレがある、ドライなコーヒーをめざしてるんです。そういうわけで、○○コーヒーのようなエグイ酸味がお好みの方にとっては、いるか喫茶のコーヒーはどれをとってもご満足いただけないんじゃないかなと思ってます。そんな異端とも言える立て方です。コーヒー通の方に喜んでもらえれば、もちろんうれしいですが、めざしてるのは「コーヒーはあんまり好きじゃない。」とか「めったにコーヒーなんて飲まない。」という方々にも満足していただけるコーヒーです。



不特定性と匿名性 (2003/07/09)

 ある喫茶店のマスターに「このガテマラいい感じの焙煎ですね。」って言ったら延々と1時間近いうんちくを聞かされるハメになってしまった。それ以来自分はうんちくを述べないでおこうと心に決めたのだが、やっぱりダメですね。まあ、掲示板だから許してください。店ではこんなことはいたしませんので。
 喫茶店に来る人は知り合いでない限り匿名ですよね。N.H.さんもヴィアンさんも僕にはお名前がわからない。もちろんそれでいいと思います。それでいて共通の話題でお話ができるというのはおもしろいコミュニケーションです。たのしい。
 村上春樹という作家は以前ジャズ喫茶をしていたそうですが、彼の小説の中に「鼠」とか「羊男」とかがよく登場する。それらは彼自身なのだろうけど、もしかしたら以前彼がやってたジャズ喫茶に来る客につけたニックネームなんじゃないかなとも思う。厨房では匿名のお客さんを便宜上ニックネームで呼ぶことがけっこうあるんですよ。あなたに行きつけのお店があったとしたら、きっとニックネームがついてるはずですよ。
 不特定性というのは喫茶店にはだれが来てもおかしくないということです。いるか喫茶にブッシュ大統領が来る可能性だってゼロとは言えない。村上春樹さんが来る可能性だってゼロとは言えない。それを考えると楽しいです。でも僕は、たとえベッカムが来たとしても色紙にサインしてもらって壁に貼ったりはしたくないな。知らないふりして普通にコーヒー出して普通にお金を払ってもらう。特別扱いは良くないし。
 不特定で匿名の人々がいるか喫茶を媒体として共通の輪の中に片足でも突っ込んでくれてたらそれでじゅうぶんおもしろいなと思う。そして、ある日突然何かのイベントを告知した時に、片足を突っ込んでくれている人たちが集結してくれたらこれは相当の一大事になるのではないかと思う。



   コーヒー      カクテル     音楽        DIY      修理       物語
            凝っている事   イベント      閑話       映画・コンサ-ト 全リスト