サザンジンジャー   ¥430       

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ベース : リキュール
グラス : コリンズグラス(10oz)
飲み切るべき時間 : ロング
炭酸 : 入り
普遍性? : スタンダード
味の傾向 : フルーティー
甘さ : ふつう
色の傾向 : 琥珀,薄い色,透明
作り方 : ビルド
度数 : 4度(低い)
その他 : 物語がある
時と場合 : どんな時もOK,いつの季節でもOK
何か特別な状況 : としては、特別な事情なんて気にしないで飲めばいいように思われる。
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  コメント  
サザンカンフォートを
ジンジャーエールで割った度数低め人畜無害カクテル。
さっぱりしていて飲みやすい。

サザンカンフォートは、アメリカでは最も有名なリキュールと言ってもいい。歴史も古い。
1878年にルイジアナ州ニューオリンズで、とあるバーテンダーができの悪いバーボンに
桃やオレンジの香りを付けて飲みやすいようにしたのが始まり。
ニューオリンズといえばジャズの発祥地。サッチモの出身地。
ミシシッピ川に浮かぶ蒸気船の上で、ジャズを聴きながらこれをを飲めば、
それはまさに「南部のやすらぎ」であったのだろう。
そんなわけで、サザンカンフォートというネーミングになったと想像する。
その後この酒は、ミシシッピ川をさかのぼり、1889年テネシー州メンフィスで、
現在のように糖蜜から作ったスピリッツ(ホワイトラムみたいなもんだと思うが中性スピリッツでウォッカに近いか。)
に、アメリカ産の桃をはじめ、レモンやオレンジなどフルーツのエキスやハーブの香りを付けて製法が確立した。
つまり、現在はバーボンベースではない。アルコール度数は21度。リキュールとしては甘くない方。

メンフィスと言えば、R&Bソウルの聖地。エルビスの出身地。
忌野清志郎や中島美嘉がメンフィスの名誉市民。というのはあまり関係ないが、
つまり、サザンカンフォートは音楽とともに生まれ育ったのだ。

ジャニス・ジョプリンは、1960年代を代表するロックシンガー。
ステージの上にはサザンカムフォートのボトルが常備されていたという。
彼女は、覚醒剤やヘロインとともにサザンカムフォート中毒でもあった。
1943年に生まれ。27歳の時レコーディング中に滞在中のロスのホテルやったヘロインが、
やたらと上等で高純度であったために死んでしまった。
サザンカンフォートの飲みすぎなら命を落とすことはなかったと思う。

音楽とは少し離れるが、マリリン・モンローもサザンカンフォートが好きだった。
映画、「7年目の浮気」ではマティーニばかり飲んでいたようだが、
プライベートではもっぱらサザンカンフォートだった。
1962年5月、ジョン・F・ケネディー45歳の誕生日に、
マリリン・モンローはジョン・F・ケネディーのために「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」を歌った。
それを聴いて、ジョン・F・ケネディーは、「いつ死んでも悔いはない。」と言った。
マリリン・モンローはその年の夏に36歳で死んだ。死因は睡眠薬の多量摂取とされたが、
胃の中に睡眠薬はなく、血中から少量のアルコールが検出されたものの、
サザンカンフォートの飲み過ぎというほどではなかった。

そして、ジョン・F・ケネディーはあくる年の秋に46歳で死んだ。

サザンカンフォートが好きな人はたくさん居ると思うし、健全に飲んでいる人が大半だと思うが、
ジャニス・ジョプリンにしても、マリリン・モンローにしても、
このお酒のイメージにかなり不健全な影を落としていることは否めない。
破滅的な日常に身を置く彼女たちが、ひと時の癒し=カンフォートをもとめて愛飲した歴史がある酒なのだ。

サザンカンフォートを使った代表的なカクテルをひとつ上げるなら、アラバマスラマー。
「アラバマの刑務所」トム・クルーズの「カクテル」でも登場した。

日本では、ジャックター。横浜のBAR「ウインドジャマー」のオリジナル。
ロンリコ151(アルコール度数75 .5度)というラムを入れてストローで飲むから強烈。
因みに、神奈川県はサザンカンフォートの消費量が全国ダントツ1位。

  レシピ  
クラックドアイスを入れた10ozコリンズグラスに
サザンカンフォート30ccを入れ
ジンジャーエール適量で満たしてステアする。
スライスレモンを飾る。