165000(凍てついたベスト・スコア)   ¥500       

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ベース : ジン
グラス : シャンパングラス(フルート)
飲み切るべき時間 : ロング
炭酸 : なし
普遍性? : オリジナル
味の傾向 : 柑橘系
甘さ : さっぱり
色の傾向 : 青,薄い色,透明
作り方 : シェーク
度数 : 24度(高い)
その他 : オシャレ,物語がある
時と場合 : どんな時もOK,いつの季節でもOK
何か特別な状況 : としては、今この時が1秒でも長く続けば良いと思っている時に飲めばいいように思われる。
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  コメント  
村上春樹著 1973年のピンボールより引用
ゲームはやらないの?と彼女が訊ねる。
やらない、と僕は答える。
何故?
165000、というのが僕のベスト・スコアだった。覚えてる?
覚えてるわ。私のベスト・スコアでもあったんだもの。
それを汚したくないんだ、と僕はいう。
(引用以上)

1970年に時を共にした女の子。
3年の時を経て、僕は再び彼女に会うことに決めた。
そのためのあらゆる手間を厭わなかった。
そして、何とか彼女との再会の場所にたどり着いた。
僕はかつての「生きていた」時をここで確認した。
しかしこの再会から新たに何かが始まるわけではなかった。
手をのばせばそこにあるのに、つかまえてしまえばそれを
汚してしまうような、淡い蛍の光。
そのようなかつての「生きていた」時の存在を僕は確認する。そのことにとどまった。
でもそれは、確かにそこに在った。
この再会はむしろ―
歌が終わり、それでも鳴り続けるメロディーのリフレインがフェード・アウトするような、
いわば完結を示唆する再会だった。
だから、そうして僕はまたこの場所をあとにして、日常に戻った。
それでも、僕と彼女が3年の時を経てなお共有できたある種の暖かさは、
古い光のようだった。
多くの物事が完結し、終わり、あるいは損なわれ、そして埋もれていっても
僕は残りの人生を、この光と共に歩むだろう。

凍てつくような倉庫でしか実現できなかった切な過ぎる再会。
この場面が少しでも長く続けば良いのにという願いを氷1粒に込めて、
ライムライトをロングバージョンにしたのが165000。
始まりと出会い、明るい予感のカクテルがライムライト。
ライムライトに始まったいるか喫茶バーのカクテル物語は、165000で完結する。
165000は、汚すことのできないベスト・スコアとして、
ライムライトとともに、いるか喫茶バーに永久に存在し続けるカクテルである。

  レシピ  
ジン 55cc
ホワイトキュラソー 15cc
ブルーキュラソー 1tsp
コーディアルライムジュース 10cc
レモンジュース 5cc
以上をシェークして
氷を1つ入れたフルート型シャンパングラスに注ぐ。